講演会

先日、著名な建築家である坂茂氏の講演に参加しました。多数の方々が参加され、会場は満席に近いほど来場者が集まり、建築哲学と社会に対する貢献についての話に耳を傾けました。

今回の講演では「作品づくりと社会貢献の両立を目指して」というテーマのもと、建築作品と被災地域での活動を軸に、具体的な事例を交えながら興味深いお話をいただきました。長年にわたり国内外の木造建築プロセスや成果に焦点を当て、具体的な事例を交えて解説されました。

フランスのポンピドゥ・センターに触れこの建物の大屋根デザインに用いられた、中国の竹製の帽子からヒントを得た美しい曲線が印象的な建物です。また、環境負荷の低減や地域資源の有効活用の観点から、木材の持つ柔軟性と美しさが、持続可能な社会における重要な要素であるとの共感を得ました。

特に印象に残ったのは、自然災害への対応としての建築の役割です。坂氏は、より適応力のある建物やコミュニティの在り方を求める必要性について語られ、今後の設計において柔軟性や持続可能性を備えたアプローチが必要とのことでした。

坂氏の講演を受けて、私たちが直面する環境の変化に対して、建築業界が持つべき志向が何かについて深く考える必要があります。テクノロジーの発展、気候変動、そして人口動態の変化といった現代の課題に対して、建築はどのように適応し進化するのか。その解答は容易ではありませんが、坂氏が提唱するように、持続可能性を基にした革新が求められる時代が来ていると感じます。

崎浜

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