国指定重要文化財『中村家住宅』へ行ってきました。
国指定重要文化財『中村家住宅』へ行ってきました。
中村家は、約280年前の琉球王朝時代に建てられた上層農家の代表的な規模形式を完備していることで1972年重要文化財に指定された建物です。
奇跡的に沖縄戦をまぬがれた住宅は室町時代の建築と中国建築様式を併せ持つ貴重な建造物として伝えられています。中村家は戦後の沖縄住居建築の特色を備えており当時の生活様式が残っている建物です。
200~300坪程度の敷地の周囲は、フクギなどの防風林に囲まれており、木造住宅の家屋を台風災害から守ります。
また、建物正面には地元で採取された琉球石灰岩を使用した石積みのヒンプンと塀は道路から視線を遮ります。
建物は南の方角に向いて配置され、南側にはパブリックな部屋(一番座、二番座)が配置され、北側にはプライベートな部屋(裏座)が配置され、そして西側には台所や水廻りが配置されています。
中庭は一番座、二番座に面した現代的なコートハウスを再現したような広々とした気持ち良い空間は憩いの場となるでしょう。
軒の深い庇のある縁側(あまはじ)は沖縄の熱い日差しを遮りまた、内と外を繋ぐ役割となります。そして大きく開いた開口部は空気の流れを循環する装置として機能しています。
沖縄の家づくりとはどのような構成が最も適しているかを意識し試行錯誤を繰り返しながらこれからの設計業務に役立てます。
投稿者:崎浜 国男