うえのやの家Ⅱ

この建物は夫婦と3人の子供達が暮らす住宅である。敷地は区画整理事業により整理された閑静な住宅街に位置する。三方が隣家に近接し、西側の前面道路は周辺に小学校や公園があることから比較的人通りが多い。計画ではプライバシーの確保、西日への対策と同時に沖縄の住環境に対応した居住性を確保することが課題となった。建物のファサードとなる西側は窓を設けず、建物のマッスと琉球石灰岩のヒンプン壁のみのシンプルな外観とすることで外からの視線と西日を遮断した。建物の南側には庭を設け風の通り道をつくり、前面道路が北側から南側に下っていることでうまれた高低差を利用し、隣家の視線が気にならないようにフロアレベルを調整し、南側へ大開口を設け光と風を取り入れた。また、南側ファサードに設けたコンクリートルーバーは近隣からの視線を遮ると共にウィンドウキャッチ―の役割も担っている。建物アプローチから抜ける南側の庭は小さい庭ではあるがスージミチのような雰囲気もあり、整理された住宅街の中に沖縄らしさを感じさせる。